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● 画面上で木の描かれている位置・書いた人の視点
その木が画面の上でどのように位置づけられているかを見る。画面の中のそれぞれの位置はそれぞれ象徴的な意味を持っており、時空認識に対応している空間象徴という。空間図式の理解が重要である。
画面の左上、左に偏るなどの傾向は引きこもりや逃避の傾向を表し、右に著しく偏り、半分が見えないなどの特徴は消極的、依存的で自分が半分しか見えないなどの傾向を表している。また、1枚の画面に収まり切らない絵は、わがまま、自己中心的傾向、規律の枠に収まりたくないという意識などの表れである。また、木が上半分に浮いている場合、親子の基本的な信頼関係に問題があり、空想や観念の世界に漂う傾向が伺える。
下から見上げた木の場合、願望が口に出せない、あきらめきれないなどの傾向を示し、真上から見た木は自信過剰の傾向を表している。
● 木の周りの環境
雲や雨が描かれている場合、外との関係で悲しく辛いことがあり、隠し事をしている傾向や親から否定された過去などを表し、木の周りに花や蝶や鳥などが取り囲む絵は「ちやほやされたい願望」を表しており、丘の上に立つ木は自分中心または不安定な孤立を表す。
黒く塗りつぶされた地面は身近な人に対する不信感や嫌悪を表し、黒の額縁は自殺の危険などを表す。
柵で木の周りを囲うような絵は臆病で用心深い傾向を表し、限られた枠の中での幸せを願う気持ちを表している。また植木鉢に植えられた木は外界を知らない傾向、多くの木がある場合は他人の存在を強く意識しているなどの傾向を表す。
● 木の種類
樅の木は一般的に幅広い意味があり、イトスギは理想主義的傾向、コナラ属の木は伝統を重んじ周囲から認められる存在になりたいという欲求、椰子の木では逃避傾向、しだれ柳は抑うつ傾向、剪定された柳では去勢による成熟拒否などを表す。
● 木の特徴
曲がりくねった枝は異常に強いこだわり、執念深さを表し、椰子の木などは安らぎたいという願望を表し、漫画化した絵は本音を見せたくない、短絡的快楽の危険性などを表している。
右に曲がった木は自分の意志に反して順応する傾向、右縁からはみ出した木は人の迷惑を顧みず非行に走る傾向、鋭く突き出た枝は他人に対して批判的、幹が根元から分かれている場合は多重人格、幹が平行線の場合、融通のきかない性格、幹に樹皮の模様がある場合人との関係に敏感で自意識過剰傾向がみられる。
幹の途中が膨らんだ木は自己顕示欲の欲求不満を表し、左へ曲がる木は引きこもろうとしている傾向、左に張り出した枝は内面を見つめる孤高な雰囲気、枝先が切れているのは才能の伸びが何かに阻害されている傾向、切り株は外傷体験、過去との決別、自分の意志で新しい人生を歩もうとする傾向、また輪郭だけ書かれた木は非情な攻撃性を表し、社会との接点にしか意識を向けていない傾向を表す。
枝先をふわふわと覆う絵は、本音をみせないタイプ、樹冠部が異常に大きい絵は空想の中で欲求を解消するタイプで諦めの早い性格、実が成っている木は目標達成への意識を表す。葉のない絵は孤独、対人関係がうまく行かない傾向、葉が一枚ずつ描かれている木は自己顕示欲が非情に強く、認められたいという欲求が強い。葉だけを書いた木は、物事の全体を見ようとしない傾向などを表している。
● 書き方の傾向
幹が不連続な絵、傾いた絵、部分が強調された絵、浮き上がった絵などは不安、緊張、いらいら、陰気など神経症的傾向を表している。陰影をつけたり、消しゴムで何度も消したり、重ね書きをしたり、塗ったり、細かな枝分かれなどが書かれている丁寧な絵の場合、神経質、繊細といった傾向を表している。
また上や先に行くほど太い幹、葉と実が不釣り合い、幹と枝のずれ、空間倒置などの歪んだ絵は精神病的傾向を表す。また、1本の線で書かれた幹、極端に省略された絵、筆圧の弱い絵、小さい絵などは鬱状態の傾向を表している。
また、木の絵がどうしても描けない場合、本当の姿を知られたくないという傾向を表している。