人間はどんな壁にぶつかろうとも、いかなる逆境におかれようとも、それを乗り越え、克服することができる。その力は、すべての人間に内在する信念によって与えられる。![]() 人間性の中には人生を劇的なまでに向上させることのできる強い、神秘的な力がある。その力とは一種の精神操作であって、強い信念に支えられると最も効果を発揮する。決して難しいことではなく、誰にでもできる。「イメージング」がそれである。 イメージングとは心に、光景なりイメージを思い描くことである。これは人間性の奥深くには、どんな人間をも最終的にはその人が思い描いたとおりの人物にしてしまう作用があるという原理に基づいている。意識の中ではっきり形作られ、捉えられたイメージは無意識の中へ入り込む。ひとたび無意識の中でしっかり受け止められると、その人はイメージを強く持つことになり、今度はイメージがその人を捉えたことになる。意識によって生き生きと描かれた望み、目標、結果のイメージが無意識の中に受け入れられて活力を得る。この活力から強い内面の力が生まれ、イメージングを行う人の人生を驚くほど変えてしまう。・・・成功する自分自身を強く思い描くことだ。夢は実現するためにある。そして、チャンスは辛抱する人の手の中に落ちる。イメージングで癌細胞までもが消滅してしまうという奇跡まで起こるのだ。 逆に、ネガティブなイメージが定着すると、思うようにいかなくなってしまうこともある。だから、何かをやろうとするときには、足らないもの、ないもの、という面からものを考えてはならない。「ない」ということが実現してしまうからだ。『ない』という思いこみを断固叩き出すことが肝心であり、反対に、うまく行っているんだ、というイメージを植え付けることが大切である。失敗を恐れて、失敗のイメージばかり描いていると、必ず失敗し、成功するというイメージを描けば、成功するという、実に単純なことなのである。 イメージングは創造的な人生を送る上で、極めて大切な原理であり、思いもかけないようなやりかたで問題解決や目標達成への扉を開いてくれる。 私たちは一瞬一瞬、イメージに取り囲まれて暮らしている。生まれた瞬間からイメージングの力にさらされる。子供の頃は、親の心の中にある子供に対するイメージに支配されるなど、他人の描いたイメージによって自分たちの人生が左右されることがあるのは確かだ。しかし、最も強力な影響力を持つのは、自分自身の築くセルフイメージ(自己のイメージ)である。前向きで活発なイメージであることもあれば、消極的で軟弱なものである場合もある。すなわち、自分自身の心の中で「自分はダメ人間だ」という消極的なイメージが自分をダメにしてしまう現実を招くのである。 では、そういった心の奥底のコンプレックスの塊をどうやって排除すればよいのか・・次回に少し考えてみたいと思う。 <次回へ続く> 参考文献:人間向上の知恵 ノーマンピール(謝世輝訳)三笠書房 |
第11回 | −運命を変える秘訣(その1)− |